低血糖発作
今まで書けなかったマールの命の危機。
3歳の誕生日を無事に迎えられたのを節目に、
その時の出来事を振り返ってみることにしました。
まだまだ、私にとっては辛く生々しい記憶で、それを文章にすることに
不安があるのですが、
誰かに読んでもらうことで、どこかで救われる命があるかもしれません。
飼い主の不注意が招いた危機であり、途中言い訳がましいくだりもあり、
不快に思う方も居らっしゃるかもしれませんが、
そんな状況の中でがんばってくれたマールの記録でもあります。
お盆休みのこと、私達家族は実家の両親とその愛犬も含め、
初めてワンコと一緒に泊まる温泉旅行に出かけました。
観光地を周り、宿に一泊。
環境が変わることに繊細なマールは持参したフードを食べませんでしたが、
「また食べないのか。」と、気に留めていませんでした。
人間の食べ物は普段あげないことにしているので、
口にしたのは、オヤツのジャーキーぐらいでした。
旅行の2日目、山あいの川に行き、泳がせたのです。
時間にしたら数十秒ぐらいですが、真夏とはいえ、山の水は冷たく、
水から上がったマールはガタガタ震えていました。
(乾くのは早かったけど、かなり体力を消費したと思います。)
その後は、車の中か、抱っこで観光をして、
歩かせなかったので、特に異変を感じませんでした。
それから、同行した私の両親と別れ、
旅行先の大分にあるパパさんの実家に、そのまま里帰りとなりました。
夕方、散歩に連れ出した時、初めてマールの異変に気が付きました。
しばらく歩いたらペタッと座り込んで動こうとしないのです。
お散歩好きのマールなのに・・・と思いましたが、パパっ子なので、
「家にパパさんがいるから行きたくないのね。」と思い、お散歩をやめました。
新生児から、2~3歳の幼児(マールにとって最も危険な相手)もいたので、
マールとカイは持参したケージに一緒に入れて、外には一切出しませんでした。
気が付くと、トイレシートに少量吐いた形跡があり、
「マールの方かも。」と心配になりましたが、
夕飯にあげたフードを少し食べてくれたので、ホッとしました。
ケージの中で、カイは「出たいよ~!」と元気にアピール。
その横で、マールはベッドにちょこんと座り、大人しくずっとこちらを見ていました。
翌朝(旅行から3日目)、目が覚めてケージを見ると、
マールがベッドとケージのわずかな隙間に嵌まって、
仰向けになって寝て(落ちて)いました。
「珍しくヘソ天?」と思い抱き上げたら、首がグラリと据わっていません!
全身が脱力して、まるで人形のようでした・・・
呼びかけても目は焦点を失っており、フラ~と白目になります。
言いようのない恐怖が襲ってきました。
今まで吐血や下痢、血便をしたこともあるマールですが、
今回そのような症状もなく、熱もありません。
お盆中の土曜日・・・しかも山の中のド田舎ですが、幸い近くに動物病院があり、
午前中診療をしてくれるとのことで、
開診時間を待って、病院に駆けつけました。
診察台に寝かせたマールは、全身が脱力して、ぺったんこ。
そのあまりの小ささに涙が出ました。
3日前から旅行中であるということ、川で泳がせたこと、少量吐いたことなど説明をしていたら
低体温状態になっていることがわかり、先生と看護士さんの動きが一気に
あわただしくなりました。
そして、先生が「これはダメかもしれないよ。」と・・・。
先生が、「もしかしたら低血糖かも。」と、血糖値を計り始めました。
「あっ!」
それまで、山や川で感染症にかかってしまったものだとばかり思っていた私。
低血糖のことをすっかり失念していたことに気づきました。
出た血糖値の数値がなんと『17』・・・!!
ありえない程低い数値で先生も動揺して「俺、測り方間違えたかも。」と、
再度計り直しますが、やはり『17』でした。
血液をもっと精密な分析器にかけつつ(結果『33』だったようです。)
マールに酸素マスクと心電図のモニターが取り付けられました。
先生も必死で、荒々しく看護士さん(たぶん奥さん)に指示をだします。
その横で、私達家族は先生達の邪魔にならないようにしながら、
意識のないマールに呼びかけることしか出来ませんでした。
その時、今まで全く動かなかったマールが突然歯を食いしばり、目を剥き、
手足を激しくバタつかせる痙攣が起こりました。
低血糖発作の末期のショック症状でした。
痙攣をはじめて目の当たりにしたショックで、涙・涙・・・
マールに糖の点滴が入り始めました。
「どうか間に合って!」祈りながら待った数分間。
意識のなかったマールが、急に酸素マスクから顔を上げ、
すぐさまヨロヨロと立ち上がり、尻尾をパタパタパタ~!って振りながら
軽いステップを踏み出したのです!
そして、いつもなら怯える診察台の上のはずなのに、
尻尾をブンブン振って私達に向かって
「あー!今までドコにいたの~?」とでも言ってるかのように
元気にアピールしてくれたのです!!
抱き上げると、ずっと私の手を力強く舐めてくるマール。
娘はさっきよりも激しく号泣していました。
「危なかったね。」と、ようやく先生たちも安堵。
療養食の缶詰をもらい、再度夕方に診察してもらい、
他県の田舎の動物病院でしたが、マールのかかりつけの先生とお知り合いとのことで、
次の日(お盆の日曜日)の診察も手配をしていただきました。
それから念のため数回の通院をしましたが、後遺症もなく元気に回復しました。
あの時、処置が間に合わなかったら・・・・
もし、あの痙攣が病院でなく、家にいるときに起こっていたら・・・
もし、病院がお盆の休診日だったら・・・
もし、朝目覚めた時、すでに手遅れだったら・・・・
幸いにも、紙一重でマールは死なずにすみました。
仔犬の頃は小食のマールの低血糖を恐れ、砂糖水をあげたり(練乳やハチミツでもOK)
食べない時は、ワンコ用スープを飲ませたり、必死に気を配ったものです。
私の母も、1日4回のインシュリン注射が欠かせない糖尿病患者なので、
母の血糖値に関しては常に意識している生活をしていたのに、
この時のマールの低血糖の症状に、早く気づけなかった自分が悔しくてなりません。
小さい体で、頑張ってくれたマールのおかげで、
改めて飼い主の大きな責任に気づくことが出来ました。
※ ここまで読んでくれてありがとうございます。
すみませんが、今回はコメント欄閉じさせていただきますm(_ _)m
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